チョコレートの原料であるカカオが、どんな木にどんな実をつけるのか、見たことがある人は多くありません。
カカオは一般的に赤道に近い熱帯地域でしか育たないとされ、日本での栽培はほとんど例がないからです。
それでも、宮崎で国産カカオの栽培に挑戦している生産者さんがいます。
カカオという植物がどう育つのかを、詳しく紹介します。
カカオは赤道近くでしか育たない、というのが常識
カカオの主な産地は、赤道を挿んで南北緯20度以内の熱帯地域です。
西アフリカや中南米、東南アジアなど、一年を通して高温多湿な気候の土地で栽培されてきました。
温帯に位置する日本は、この条件から外れており、国内でカカオ豆を生産している事例はごくわずかです。気温や湿度の管理をよほど工夫しない限り、カカオの木を育てること自体が難しいとされてきました。

幹から直接、小さな花が咲く
カカオの木には、ほかの果樹にはあまり見られない特徴があります。
花が枝先ではなく、幹や太い枝から直接咲く「幹生花」と呼ばれる咲き方をするのです。
ひとつの花は直径1〜2センチほどしかなく、白から淡いピンク色の、星のような形をしています。しかも一年中、途切れることなく咲き続けます。
受粉を担うのは、ミツバチではなく小さな虫
これだけ花が咲いても、実になるとは限りません。
カカオの花はとても小さく複雑な形をしているため、ミツバチのような大きな昇虫は花の中に入れず、代わりにコバエの仲間などのごく小さな虫が受粉を助けています。
自然の状態では受粉しにくく、受粉できたとしても実が途中で育たなくなってしまうことが多いというのが、カカオ栽培の大きな壁です。
この受粉率の低さや実の成長不良率の高さがカカオ栽培の課題です。
カカオの実は花が咲いた場所から直接生えてくるという、見た目にも独特な育ち方をします。
ひとつの実の中には数十粒の種が入っており、これを取り出して発酵・乾燥させたものが、ようやくチョコレートの原料となるカカオ豆になります。

実から豆になるまで、長い道のり
カカオは花だけでなく、実も幹から直接なる「幹生果」という育ち方をします。
ラグビーボールのような形をした実(カカオポッド)の中には、パルプと呼ばれる白い果肉に包まれた種が数十粒詰まっています。
収穫したポッドを割って取り出したこの種が、カカオ豆のもとです。
種を取り出した後は、果肉ごと数日間発酵させます。
発酵によって種の中の酵素が働き、チョコレートの香りのもとになる成分が生まれ、渋みや苦味がやわらぎます。
発酵が終わった豆はしっかりと乾燥させ、ここでようやく「カカオ豆」と呼べる状態になります。
その後、焦照して砂き、すりつぶしてペースト状にしたものに砂糖などを加え、なめらかに練り上げてはじめて、チョコレートができあがります。
ひと粒のチョコレートの奥に、これだけの工程と時間が積み重なっています。

宮崎で、この植物を育てる挑戦
noumeeでは、宮崎の生産者さんたちが連携して開いている体験で、このカカオ農園を実際に訪ねることができます。幹から咲く花や、幹に実るカカオポッドを間近で観察しながら、チョコレートになるまでの工程や、宮崎でカカオを育てる理由についての話を聞け、試食もできます。
体験は宮崎空港から車で約20分の場所です。所要時間は約5時間で、日本ではまだ珍しいカカオが育つ様子を、実際に自分の目で見てみたい方におすすめです。
気になる方は、体験の詳細を確認してみてください。