千葉県の八街市と山武市は、隣り合う二つのまちです。
八街市は落花生の収穫量が全国1位で、山武市には冬から春にかけていちご狩りの農園が20軒以上あります。どちらも東京から日帰りで訪ねられる距離にある、畑の多い台地のまちです。
開墾の台地が、落花生の産地になるまで
八街という地名が付いたのは、明治2年(1869年)です。江戸幕府が終わったあと、暮らしに困った人たちを救うために東京府が始めた下総開墾事業のなかで名付けられました。入植したのは江戸の町人が中心でした。明治4年(1871年)には、耕作できた土地が柳沢牧全体の約11%にとどまり、政府は事業から手を引いています。
この土地は水はけのよい砂質土壌で、のちに落花生づくりに合っていたことが分かります。八街に落花生が入ったのは明治29年(1896年)ごろです。昭和24年には全耕地の約80%を占めるまでになり、現在も収穫量は全国1位です。
千葉県は国内産の落花生の約8割をつくっています。県は、八街を含む地域について、干ばつや砂地のような悪条件に強く、比較的安定した収穫が得られる土地だと説明しています。

いちご狩りの農園が20軒以上ある山武市
山武市では、成東を中心にいちご狩りの農園が20軒以上あります。山武市成東観光苺組合には18軒が加盟していて、いちご狩りができるのは12月中旬から5月中旬までです。
同じ台地の上でも、八街は落花生、山武はいちごと、まちごとにつくられているものが違います。

冬から春先に舞い上がる「やちぼこり」
八街・山武エリアの畑は、火山灰が積もってできた関東ローム層の台地に広がっています。水はけがよく、風がよく通る土地です。
その一方で、八街市の周辺には「やちぼこり」と呼ばれる現象があります。冬から春先にかけて、乾いた強風が吹くと、落花生畑などの細かい土が舞い上がります。土が乾いているほど、風が強いほど、たくさん舞い上がります。視界がかなり悪くなったり、洗濯物を外に干せなくなったりするほどです。
八街市は、平成16年から環境保全型土作り事業を進めています。エン麦やライ麦などの緑肥作物を畑に作付けすると、有機物を土に補えるだけでなく、雨水による土砂の流失を防ぎ、砂埃を減らす効果もあるとしています。
畑の広がる台地の風景の裏には、こうした土との付き合い方があります。冬から春先に訪ねるときは、天気予報で風の強さを見ておくと安心です。
📍アクセス
- 山武市へは、東京駅から特急しおさい号で約60分、成東駅で降ります。千葉駅からは総武本線の普通列車で約50分です。
- お車の場合は、圏央道の「山武成東IC」または「松尾横芝IC」が最寄りです。
- 八街市は東京都心から50km圏内にあり、JR総武本線の八街駅があります。
千葉県で農業体験をする
畑を歩きながら土の話を聞き、採れたてをその場で味わえる体験です。気になる方は、生産者さんのページで畑の様子を確認してみてください。
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初めて行く方は、農業体験の持ち物と服装ガイドもあわせてご覧ください。環境再生型農業がふつうの有機栽培とどう違うのかは、有機栽培・自然栽培・環境再生型の違いで説明しています。